• 権利関係1

    1 権利関係の全体構造

     権利関係の分野には、民法借地借家法区分保有法、不動産登記法いう4つの法律があります。

    2 契約とは

     「契約」とは、相対立する「申し込み」という意思決定と「承諾」という意思表示の合致(合意)をいいます。契約は法律行為の代表的なものであり、契約のことを「法律行為」と呼ぶ場合があります。

    3 債権・債務

     債権・債務とは売買契約の成立に基づき、権利という点でみると、売主には代金支払請求権(代金債権)が発生し、買主には土地の引渡請求権(引渡債権)が発生したことになります。また、義務という点でみると買主には代金支払義務(代金債務)が発生し、売主には土地の引渡義務(引渡債務)が発生したことになります。このように特定の人に対し、一定の行為をするよう請求出来る権利のことを債権といい逆に一定の行為をする義務のことを債務といいます。また一定の行為の事を(給付)という場合があります。

  • 4 物権とは

     売買契約が成立すると、それまで売主Aのものであった甲土地が買主Bのものとなります。このことを所有権の移転といいます。所有権が買主Bに移転すると、Bは甲土地をどのように使用・収益しようと第三者に転売するなど処分しようと自由です。つまり所有権とは物を全面的に支配する権利のことをいいます。(使用・収益・処分する権利)のことをいいます。

    所有権・・物を全面的に支配する権利

    制限物件・・物に対する一定の限られた内容の権利 (用益物権

    担保物件)

    債権は特定の人に対してしか主張できないのに対し、物件はすべての人に対し主張することができる。

    5 民法の基本原則

     ① 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。

     ② 権利の行史及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなけ       ればならない。

     ③ 権利の濫用は許されない。

  • 権利関係 2

    1 権利能力

    (1)権利能力の意味

     権利能力とは、権利義務の帰属主体となる能力のことをいいます。例えば、アパートを借りたり、物を買ったり、土地を所有したりすることができる地位や資格の事です。

    権利能力のはじまるタイミング(始期)→自然人が生まれたときから

    (終期)→死亡時  *自然人・・権利義務の主体となる人間

    胎児は、原則として権利能力を有しませんが、例外的に①不法行為による損害賠償請求 ②相続 ③遺贈の場合だけ権利能力を有します。

    2 意思能力

    意思能力は、一般に自己の行為の結果を判断できる精神能力であり7歳~10歳程度になれば意思能力を有するものと解されています。意思能力を有しない者(意思無能力者)の法律行為は無効です。

    *「無効」とは初めから契約が無かったことを意味します。

    「取消し」とは、取り消すまでは一応契約を有効として置いて取り消しを主張した段階で、契約当初に遡って契約がなかったこととなります。